エンジンはどうもブロー済みだったらしく、バラバラの
状態でやって来ました。
前オーナーによると、ブロックにクラックが入っているらしく、
最低でもブロックは交換した方がいいよ、との事でした。
実際には何処がどうなっていたのか調べはしませんでしたが、
入っていたピストンはノーマルよりボアダウンされており
クランクは、何の物かはかりませんが、ニッサンのマークの
入った、フルカウンターの物が入っていて、ノーマルより
ストロークアップされていると言うことが判明しました。
排気量は1600cc一杯一杯になっていましたので、
どういうレギュレーションのレースで使われていたのか、
謎のエンジンで有ると言うことだけが解りました。
さて、どうしたものなのか。まず、ブロックは使えないと
言うのが前提なので、ブロックは捜さなければなりません。
ボアダウンされているピストンは使う気にもなれませんし、
折角加工されて入っている、謎のフルカウンタークランクを
使わない手も有りません。
あれこれ悩んでいるうちに、ベースになりそうなブロックが
手に入りました。
ロータスツインカム用のブロックでしたが、加工すれば
OHVのスタンダードエンジンにも使えるようです。
元々付いていた、ニッサンのフルカウンタークランクを
どうしても使いたかったので、このクランクに合わせて、
設定を考えていきます。
このクランクはジャーナルのピッチをフォードエンジンに
合わせて加工してありましたが、メタル径をアンダーサイズに
変えてありました。ストロークは、78.7mmで、完全な
フルカウンターです。コンロッドはノーマルを使いますので、
これに合わせた、ピストンを捜さなければなりません。
外国のピストンはあまりデーターが無いので、国産のピストン
から捜すことにします。捜したあげくに見つけたのが、
S20用のオーバーサイズピストンで、ボア、82mmと
言う物です。ピン上は2.1mm下がるのですが、
ピストントップは1.5mm程はみ出します。
このピストンに合わせて、ブロックの上面研磨をし、
ピストントップを削り、スリーブを入れ直して、
ボアアップをし、ピストンピン径をサイズアップして、
バンダーベルのアンダーサイズメタルを組み込むと言う、
とてもお下劣な腰下が出来上がりました。総排気量は
1661ccです。
シリンダーヘッドはスタンダードとはどうも違う様なのですが、
何しろスタンダードを知りませんし、バルブの大きさなども
違うそうなのですが、そのまま組み込むことにします。
カムシャフトもベースが何かは解りませんが、
ベースサークルが小さく削られた、加工品の様です。
バルブスプリングも、レートが相当高かったのですが、
経たりも、ばらつきも無さそうなので、
そのまま組み込むことにします。
久しぶりに得たいの知れないエンジンを作りましたが、
見た目は結構期待できそうです。インマニもワンオフ物が付いているし、
オルタネーターは最初から付いていなかったので、
86用の物を使いました。本当に大丈夫なんだろうか?